訓練の前に用意するもの
総務省のテレワークセキュリティのチェックリストには、セキュリティ事故の発生やそのおそれに備え、対応手順と関係者への連絡体制を定め、従業員に緊急連絡先を周知するという項目があります。IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版にも、付録として「中小企業のためのセキュリティインシデント対応の手引き」が用意されています。訓練では、これらをもとに作った自社の手順書が実際に使えるかを確かめます。
- 緊急連絡先(情報システム担当、代行者、上長、経営者)
- 携帯電話会社の紛失・盗難時の受付窓口と、契約者として本人確認に必要な情報
- MDMの管理画面にログインできる人の一覧
- 端末台帳(電話番号、端末の識別番号、利用者)
シナリオ例と確認ポイント
| シナリオ | 最初の15分で決めること | 訓練で確かめる点 |
|---|---|---|
| 金曜夜、営業担当が電車に社用スマホを置き忘れた | 回線の利用停止と端末のロックを誰が実行するか | 休日に管理画面へ入れる人がいるか、携帯会社の窓口に契約者情報で連絡できるか |
| 偽のログイン画面に業務アカウントのパスワードを入力した | パスワード変更とサインイン中の端末の確認 | 本人が報告をためらわない仕組みになっているか |
| 顧客一覧の画像を別の取引先にチャットで送ってしまった | 送信先への削除依頼と、漏えいに当たるかの判断 | 報告期限を逆算した段取りができるか |
報告期限を前提に時間を区切る
個人情報保護委員会の案内では、報告対象となる漏えい等が発覚した場合、発覚日から3〜5日以内に速報、30日以内(不正の目的のおそれがある場合は60日以内)に確報を出すことが求められています。訓練では「発覚した日時をいつと記録するか」「誰が報告の要否を判断するか」まで決めておきます。報告対象かどうかの判断は個別の事情によるため、迷う場合は委員会の窓口や弁護士へ相談します。
訓練後に直すこと
- つながらなかった連絡先、古くなった電話番号を直す
- 判断に時間がかかった箇所に「迷ったらこうする」という既定の行動を書き足す
- 管理画面の権限が1人に集中していれば、代行者を追加する
- 次回の訓練日を決め、新しく入った社員にも参加してもらう
訓練の進め方(60分の例)
- 最初の10分:シナリオを読み上げ、役割(初動担当、判断者、記録係)を決める
- 次の30分:時間を区切って「今、誰が何をするか」を手順書に沿って口頭で進める。途中で「担当者に電話がつながらない」などの条件を加える
- 最後の20分:止まった箇所、迷った箇所、手順書にない行動を書き出す
記録係は、各判断の時刻を書き留めます。実際の事故でも、発覚の時刻や判断の経過は報告書に必要になるため、記録を取る練習にもなります。
参加者と頻度
訓練には、情報システム担当だけでなく、実際に端末を使う営業や現場の代表、総務、判断を下す役員にも参加してもらいます。端末を使う側が「誰に、何を伝えればよいか」を知っていることが、初動の速さを左右するためです。頻度は年1回を基本に、手順書を大きく変えたときや、新しいサービスを導入したときにも追加で行います。
訓練の記録は、手順書の改訂履歴と一緒に保管します。外部の監査や取引先からセキュリティの体制を聞かれたときに、実際に訓練を行っていることを示す資料にもなります。
訓練で使ったシナリオは保存し、次回は条件を変えて使います。同じシナリオの繰り返しだと、手順を覚えるだけで判断の練習になりにくいためです。
相談先・申込先の選び方
事故対応で携帯電話会社に頼るのは、回線の利用停止や再発行など限られた手続きです。契約先を比べる際は、紛失・盗難時の受付が24時間か、法人契約の場合に誰が手続きできるか、SIMやeSIMの再発行にかかる手数料と日数を確認します。紛失時の詳しい手順は社用スマホを紛失したらにまとめています。
PR(広告)
法人携帯の見積もり・相談先の例
台数・回線種別・端末の希望を決めてから2社以上に見積もりを依頼すると、月額と初期費用を同じ条件で比べられます。
リンク先で申し込みや問い合わせがあった場合、当サイトに報酬が支払われることがあります。料金・対応地域・保証などの条件は、必ず各社の公式ページと見積書で確認してください。
広告・PR
条件を整理して公式サービスへ相談する
以下はRentracksで提携中の広告リンクです。対応地域、対象条件、料金、契約内容はリンク先の最新案内で確認し、必要に応じて複数の選択肢を比較してください。
広告リンクを経由して申込みが成立すると、当サイトが報酬を受け取る場合があります。
出典(2026年10月14日確認)
- 総務省「中小企業等担当者向けテレワークセキュリティの手引き(チェックリスト)」第3版(令和4年5月)PDF
- IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版と付録
- 個人情報保護委員会「漏えい等の対応とお役立ち資料」
最新の条件は各リンク先で確認してください。

同じ前提で比べると、違いを確かめやすいよ。