セキュリティ · 39

遠隔消去を使う条件|紛失・退職・端末交換

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遠隔消去を使う条件の図。会社支給端末の紛失・盗難はまずロックし見つからない見込みならワイプ、私物端末の退職は廃止で会社のアプリとデータだけ外す、支給端末の返却・入れ替えは回収後にワイプ、修理はバックアップ後に初期化する。ワイプしてもeSIMのデータプランは既定で保持される。実行前に対象端末、会社支給か私物か、業務データの残り、承認と本人への連絡を確認する。
1枚でわかる遠隔消去を使う条件(出典:Microsoft Learn「Microsoft Intune でデバイスをワイプする」、確認日 2026-10-14)

遠隔消去は強力ですが、取り消しができません。どの場面で、誰の承認で、どの範囲を消すのかを決めておかないと、私物データまで消してしまったり、逆に消すべき端末を放置したりします。

確認日:2026年10月14日(出典は末尾)

「全部消す」と「会社の分だけ外す」は別の操作

MicrosoftのIntuneの説明では、「ワイプ」はデバイスを工場出荷時の設定に戻し、すべての個人データと組織のデータ、アプリ、構成を削除する操作です。デバイスの廃止、再利用、紛失や盗難時の安全な消去などに使うとされています。一方「廃止」は、ワイプと違ってユーザーのコンテンツをそのまま残し、会社が管理するアプリやデータを外す操作です。たとえば個人所有のAndroidで仕事用プロファイルを使っている場合、廃止すると仕事用プロファイルのデータ、アプリ、設定が削除されると説明されています。

eSIMの扱いにも注意が必要です。Intuneの説明では、ワイプしても既定ではeSIMのデータプランが保持され、削除する場合は別のオプションを選ぶとされています。回線ごと止めたいのか、端末だけ初期化したいのかで操作が変わります。

場面ごとの使い分け

場面操作の例先に確認すること
会社支給端末の紛失・盗難まず紛失モード・ロック。見つからない見込みならワイプ位置情報の確認、回線の利用停止、警察への届出
私物端末(BYOD)の退職廃止で会社のアプリとデータだけ外す私物データに影響しないことを本人に説明済みか
会社支給端末の返却・入れ替え回収後にワイプして再利用、または廃棄業務データの移行が済んでいるか
修理に出すデータのバックアップ後に初期化修理受付時にデータが保存されない前提か

iPhoneはアクティベーションロックに注意

iPhoneは、初期化してもアクティベーションロックが残ると次の人が使えません。AppleのApple Businessの案内では、組織のデバイスとして追加されている端末なら、ユーザーがオンにしたロックも含めてApple Businessから解除でき、その操作は取り消せないことへの同意が必要とされています。会社で買ったiPhoneをApple Businessに登録しておくことは、遠隔消去の後に端末を再利用するための準備にもなります。

承認と記録のルール

  • ワイプの実行は、情報システム担当1人の判断にせず、上長などの承認を受ける(夜間・休日の代行者も決める)
  • BYODでは、会社が実行できる操作と私物データに影響しないことを、利用開始時の同意書に書いておく
  • 実行日時、対象端末、理由、承認者、結果を記録する
  • 電源が切れている端末や通信できない端末には、命令がすぐ届かないことを前提にする

総務省のテレワークセキュリティのチェックリストでも、紛失に備えてMDM等を導入し、リモートからのデータ消去などのセキュリティ設定を強制的に適用することが対策項目に挙がっています。

実行前のチェックリスト

  1. 対象の端末が正しいか(台帳の電話番号・識別番号と管理画面の表示を照合)
  2. 会社支給か私物か(操作の種類が変わる)
  3. 業務データがクラウドに残っているか(消した後に復元できるか)
  4. 回線を止めるか残すか(eSIMの扱いを含む)
  5. 承認者の承認と、本人への連絡が済んでいるか

紛失の場合、すぐにワイプせず、まず紛失モードやロックで様子を見ることもあります。見つかる見込みや、端末に入っていたデータの重要度で判断を分け、その基準も手順書に書いておきます。

実行した後は、管理画面で命令が届いたことを確認し、台帳の状態を更新します。

手順書は、夜間や休日に代行者が読んでも迷わないよう、管理画面のどの操作を選ぶかまで具体的に書いておきます。

相談先・申込先の選び方

遠隔消去はMDMの機能なので、携帯電話の回線契約だけでは使えません。回線の契約先を比べる際は、MDMを同時に契約できるか、紛失時の回線停止の窓口が24時間対応か、端末レンタルの場合は返却できない端末の費用がいくらかを確認します。紛失直後の手順は社用スマホを紛失したらを参照してください。

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出典(2026年10月14日確認)

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