台帳が必要な理由
総務省のテレワークセキュリティのチェックリストは、最初の項目として、許可した端末だけを使うよう周知し、端末とその利用者を把握することを挙げています。IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版にも、付録として資産管理台帳のサンプルが用意されています。スマホ専用の表を一から作るより、会社の資産台帳の様式に合わせると管理が続けやすくなります。
入れておきたい項目
| 区分 | 項目 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 回線 | 電話番号、契約会社、料金プラン、契約日、請求グループ | 紛失時の利用停止、請求との照合 |
| SIM | 物理SIMかeSIMか、SIMの番号 | 再発行、端末の入れ替え |
| 端末 | 機種、識別番号(IMEIなど)、購入・レンタルの別、取得日 | 修理、返却、資産計上 |
| 管理 | MDMの登録状況、OSのバージョン、アップデートの提供期限 | 交換時期の判断 |
| 利用者 | 氏名、部署、貸与日、受領書の有無 | 異動・退職時の回収 |
| 状態 | 使用中・予備・修理中・返却済み・廃棄済み | 棚卸し、予備機の把握 |
回線と端末は別の行で管理すると、SIMを差し替えたときや修理で端末が入れ替わったときにも記録が崩れません。
請求データと照合する
携帯会社は法人向けに請求内容をデータで確認できる仕組みを用意しています。たとえばNTTドコモビジネスの「ご利用料金管理サービス」は法人限定で、請求内訳と料金明細内訳のデータを集約して分析や集計に使えると案内されており、条件によりCSVでの提供もあります。こうしたデータの電話番号と台帳を毎月照合すると、使われていない回線や、台帳にない回線を見つけられます。
更新するタイミング
- 入社・異動・退職の手続きと同じ日に更新する(人事の手続き書類に台帳更新の欄を作る)
- 修理・交換・SIM再発行のたびに更新する
- 半年に1回、MDMの管理画面と台帳の端末数を突き合わせる
- 廃棄した端末は、初期化した日と方法を記録する
台帳そのものの管理
台帳には社員の氏名と電話番号が並ぶため、閲覧できる人を絞ります。共有フォルダに置く場合は、編集できる人と閲覧だけの人を分け、更新履歴が残る形式を選びます。
表計算で作るときの工夫
- 1行1回線、別シートに1行1端末とし、電話番号と識別番号で結び付ける
- 「状態」や「部署」は入力の選択肢を固定して、表記ゆれを防ぐ
- アップデートの提供期限の列を作り、期限が近い行に色を付ける
- 更新した日と更新者の列を置く
MDMの管理画面から端末一覧を書き出せる場合は、定期的に取り込んで差分を見る方が、手入力で全項目を保つより正確です。
棚卸しの進め方
半年に1回の棚卸しでは、台帳の「使用中」の端末について、利用者に端末の画面で電話番号と機種を確認してもらい、台帳と一致するかを確かめます。「予備」の端末は保管場所で実物を数えます。一致しなかったものは、その場で理由を記録し、紛失の可能性がある場合は紛失時の手順に移ります。棚卸しの結果は日付と確認者を残し、次回の比較に使います。
台帳の項目を増やしすぎると、更新が追いつかなくなります。最初は回線、端末、利用者、状態の4つの区分の必須項目だけで始め、運用に慣れてから管理の項目を足していく方が、正確な台帳を保ちやすくなります。台帳の責任者を1人決め、更新の依頼はその人に集めます。
退職や異動の多い時期(年度の変わり目など)の直後に臨時の確認を入れると、回収漏れや台帳の更新漏れを早く見つけられます。台帳とMDMの数が合わない場合は、まず台帳にない端末がMDMに残っていないかを確認します。
相談先・申込先の選び方
台帳の手間は、回線の契約先や請求のまとめ方によっても変わります。契約先を比べる際は、請求データをCSVで取得できるか、部署ごとに請求を分けられるか、管理画面で回線と端末の一覧を出せるかを確認します。請求の分け方は法人携帯の請求を部署別に分ける方法にまとめています。
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出典(2026年10月14日確認)
- 総務省「中小企業等担当者向けテレワークセキュリティの手引き(チェックリスト)」第3版(令和4年5月)PDF
- IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版と付録
- NTTドコモビジネス「料金関連サービス」
- NTTドコモビジネス「ご利用料金管理サービスからの適格請求書ダウンロード方法」
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同じ前提で比べると、違いを確かめやすいよ。