端末・セキュリティ

MDMの基本と主要サービスの公式機能比較

MDMは、会社が配る端末の設定・制限・紛失時の対応を管理者がまとめて行うための仕組みです。代表的なサービスについて、各社の公式ページに書かれている対応OS・機能・料金を比べ、導入前に決めておくことを整理します。

情報の確認日:2026年10月11日(各社公式ページ)

要点

どのMDMも、紛失時のリモートロック・データ消去、パスワードルールの強制、アプリの配信や制限といった基本機能を備えています。違いが出るのは、対応OSの範囲、料金の単位(端末単位かユーザー単位か)、初期費用、そしてパソコンまで同じ画面で管理するかどうかです。

MDMでできること

MDM(モバイルデバイス管理)を入れると、管理者は管理画面から端末に設定を配布し、使える機能やアプリを制限し、紛失・盗難の際に遠隔で端末をロックしたり初期化したりできます。たとえばソフトバンクが提供するCLOMO MDMの案内では、アプリ購入・カメラ・Wi-Fi・SDカードなどの機能制限、桁数や文字種のパスワードルールの強制、リモートロックとリモート初期化、許可・禁止リスト形式でのアプリ利用ルールと違反アプリの検知が機能として挙げられています。

端末を何台も手作業で設定する負担を減らす目的でも使われます。社員が初回起動するだけで会社の設定が入る状態にするには、次に説明するAppleやGoogleの登録の仕組みとMDMを組み合わせます。

MDMと組み合わせる登録の仕組み

Apple Business Manager:Appleの公式ページでは、Apple Business Manager経由でデバイスを登録すると、企業所有のiPhone、iPad、Mac、Apple TVは箱から出した最初の設定で組織のMDMソリューションに自動的にプロビジョニングされると説明しています。既存のMDMと連携して動作し、デバイスの種類ごとにデフォルトのMDMサーバを設定できます。端末を購入するときに、購入先がこの登録に対応しているかを確認してください。

Androidのゼロタッチ登録:Android Enterpriseの公式ページでは、ゼロタッチ登録により主要なアプリやセキュリティ設定を備えたデバイスを何台でもすぐに導入できるとしています。ゼロタッチは唯一の登録方法ではなく、EMMプロバイダが発行したコードを入力する「EMMトークン」方式もあります。一部の国では販売パートナー料金が適用される場合があるとの注記もあります。

主要サービスの公式情報比較

サービス対応OS(公式表示)主な機能(公式表示)料金(公式表示)
OPTiM Biz(オプティム)iOS、iPadOS、Android、Windows、macOSリモートロック・ワイプ、アプリ配信など初期費用45,000円/1契約、基本料金0円、月額 Android・iOS・iPadOS 300円/1台、Windows・macOS 500円/1台(税抜)
CLOMO MDM(ソフトバンク経由の提供)iOS、Android、Kindle Fire機能制限、パスワードルール強制、リモートロック/初期化、アプリ利用ルールCLOMO MDM 月額300円/端末、CLOMO PANEL 月額2,000円/企業、初期費用20,000円/企業(税抜)
Microsoft Intuneクロスプラットフォームのデバイス管理(プラン1)デバイス管理、組み込みセキュリティ、モバイルアプリ管理(MAM)、エンドポイント分析(プラン1)ユーザー単位・年払い。プラン1は公式ページのFAQでUSD 8.00、Microsoft 365 E3(Teamsなし)は5,847円/ユーザー/月相当(税抜)など。契約により異なる場合あり

CLOMO MDMの料金はソフトバンクの法人向けページに掲載された同社経由の提供条件です。開発元から直接契約する場合の条件は開発元へ確認してください。

料金の単位の違いに注意

OPTiM BizとCLOMO MDMは端末1台ごとの月額で、Intuneはユーザー1人ごとの月額です。1人がスマートフォンとパソコンの両方を使う会社では、ユーザー単位の方が台数の増減に左右されにくくなります。逆に、共有端末や店舗のタブレットのように「人に紐づかない端末」が多い会社は、端末単位の料金を確認すると見通しが立てやすくなります。Intuneの公式ページは、Intune単体のプラン1に加えて、Microsoft 365 E3やE5といった上位のライセンスの中で統合エンドポイント管理が提供される形も示しています。すでにMicrosoft 365を使っている会社は、現在のライセンスにIntuneが含まれているかをまず確認してください。

通信会社のプランに含まれる管理機能

回線の料金プランに管理系の機能が含まれている場合もあります。NTTドコモビジネスの発表(2025年9月10日)では、法人専用の「ドコモBiz データ無制限」で「ビジネス端末レスキュー」「ビジネスアクセスマネージャー」「海外ローミング」を追加料金なしで利用できるとしています。一方、ドコモビジネスのビジネスマホパックの案内では、「ドコモ mini」を利用する場合はビジネスアクセスマネージャーが利用対象外と記載されています。プランを変えると使える機能が変わることがあるため、回線とMDMは一緒に検討してください。mineoの法人向けサービスでは、mineo BiZ経由の申込でMDMのOPTiM Bizが1か月無料になる案内があります。

導入の流れ

一般的には、次の順で進めると手戻りが少なくなります。まず管理したい端末の台数とOSの内訳を数え、候補のMDMが対応しているかを公式ページで確認します。次に、紛失時の対応やアプリの方針など、管理画面で設定するルールを文書にします。そのうえで数台で試験導入し、端末側にどのような表示や制限がかかるかを社員の目線で確認します。問題がなければ、Apple Business Managerやゼロタッチ登録を使って残りの端末を登録し、配布します。配布後は、管理画面で未登録の端末やOSの更新状況を定期的に確認する担当者を決めておきます。

導入前に決めておくこと

  • 管理する範囲:会社支給の端末だけか、私物端末(BYOD)も含めるか。私物端末に会社が初期化できる権限を持つことには、社員の同意と規程が必要です。
  • 紛失時の手順:誰に連絡し、誰がロック・初期化の判断をするか。紛失時の対応もあわせて確認してください。
  • アプリの方針:許可するアプリの一覧と、業務アプリの配布方法。
  • 端末の購入経路:Apple Business Managerやゼロタッチ登録に対応した購入先かどうか。
  • 費用の単位:端末単位かユーザー単位か、初期費用の有無、最低契約数。

無料トライアルを用意しているサービスもあるため、数台で試して管理画面の操作や端末側の表示を確認してから全社に広げると、配布後の問い合わせを減らせます。

出典(2026年10月11日確認)

料金・条件は改定されます。申込前に各社の最新ページと見積書・契約書面で確認してください。